屋上庭園

屋上庭園

立体的に緑を楽しむ住まい

敷地の広さが限られている場合、庭のスペースを確保するのが難しいことがあります。その際の選択肢として、屋上や屋根に土を載せて植物を植える「屋上緑化」があります。
階の一部を屋上にして室内から見える場所を屋上庭園にすることで、どの階からでも緑に接することが出来ます。室内から気軽に出られる場所に計画すると、ちょっとした気分転換がすぐにできますし、読書やリモートワークにもいいです。

さらに、屋上庭園を壁で囲い視覚的に内部に取り組めば、室内の延長として感じられ開放感も得られます。
同じことは地上の庭でも可能ですが、各階で緑をより身近に楽しむことが出来ます。

屋上庭園説明図

立体的に緑がつながる住まい|親緑住居

特徴とメリット

屋上庭園は日当たりが地上の庭より優れているため、家庭菜園や草花の生育にも適していると言えるでしょう。
本来は屋根となる面を緑化することで、植物の蒸散作用や土の断熱効果で屋根面の熱負荷も軽減されます。よって、建物内部の温度変化が抑えられるので快適な室内環境になります。

また、土壌層があることで屋根面の劣化の原因となる紫外線や急激な温度変化を軽減し、建物自体を保護することが出来ます。
他にも、上層階にあることで道路レベルや周囲の視線が気にならなくなるので、自分たちだけの心地よい居場所が生まれます。

家のどこにいても自然が身近にある暮らしはとても魅力的です。毎朝、2階の寝室の窓を開けると眼前に庭が見えるのは、日々の楽しみになるでしょう。

気をつけるポイント

土や植物・水は重いので、その荷重に耐えられる構造とする必要があります。木造でも可能な場合もありますが、RC造または混構造とすることが多いです。
まず重要なのは、防水です。アスファルト防水やFRP防水など、構造や下地に応じて適した防水を選びます。なお、植物の根は防水層を傷めることがあるため耐根層が必要になります。
屋上は地上に比べて乾燥しやすいので土の保水性が必要で、同時に排水性も大切になります。防水メーカー等の屋上緑化専用システムを採用するのがおすすめです。水やりが心配であれば、自動灌水装置を設置するのも良いでしょう。
プランニング上、気をつけるのは室内との位置関係です。水やりや管理のために日常的に無理なく行ける場所に設計することが大切です。

コラム


中海岸のコートハウス 外観 1階の中庭から2、3階の屋上庭園へと立体的に緑がつながる
中海岸のコートハウス
牟礼のコートハウス 建物を南に寄せ広めに設けた北庭からアプローチする 右手前はカツラ
牟礼のコートハウス
成田東のコートハウス 中庭のバードバスは既存の石灯籠を再利用したもの
成田東のコートハウス
桜新町・緑庭の平屋 柱の向こうに見えるのが柿の木
桜新町・緑庭の平屋
東が丘の家 リビング ヤマボウ、モミジ、カツラなど四季の移り変わりを楽しめる
東が丘の家
大きな町屋 リビング 簾戸を入れることで穏やかな採光が得られ明るい時間は外から中が見えにくくなる 奥は暖炉
大きな町屋
小さなコートハウス 2階リビングから中庭を見る
小さなコートハウス
永福町の家 屋上へ行く階段のハイサイドライト 室内と屋上は縁が切れてしまいがちだが窓から植栽と空が見えることで屋上へと自然に意識が向かう
永福町の家
親緑住居 外観 道路より一段高い場所がリビングで中庭の緑が見えている
親緑住居
駒沢のコートハウス リビングから中庭を見る 主木のクマシデは建て替え前からあったもの 右はワビスケ、左はエゴ 下草はヒメリュウなど
駒沢のコートハウス