『三島の家』は、1階のリビング前の主庭以外に、2階にも「カバードデッキ」と呼ぶテラスがあります。
カバードデッキは屋根のかかったテラスのことで、内と外の中間となるいわゆる「半屋外空間」です。
この家の場合は、敷地が南北に細長く三方を道路に囲まれているため、近隣の目を意識せず過ごせるように、建物の中央にカバードデッキを設けました。
中庭のようなカバードデッキは、外からの視線から守られ開放的に過ごす事ができます。
ガラス屋根を架けているのでカバードデッキに面した部屋にも光が届き、雨の日でも濡れずに部屋の延長として使用できます。
道路側には蔓性植物のアケビとムベ、ツルニチニチソウなどを植えた花台とベンチを設けました。
アケビは落葉、ムベは常緑と性質は異なりますが、半日陰でも育てる事ができます。
いずれも手すりに絡むことで目隠しになり、ツルニチニチソウは下垂して壁面を彩ります。
また、花台部分は上に屋根をかけないことで夜露が自然とつくようにしています。
花台のすぐそばにベンチがあるので、気分転換したい時になど気軽に腰掛けることができます。
鉢植えの観葉植物も施主によりたくさん置かれて、手入れも含めて楽しまれている様子でした。
ベンチを造りつけたホールや、両側の個室とカバードデッキのつながり。
中庭のような半屋外空間があることで部屋の心地よさも向上し、明るく開放的に暮らす事ができます。
カバードデッキの場所を室内とすることは設計上もちろん可能ですが、あえて半屋外空間にすることで得られることはとても多いと思います。
作品 | 三島の家
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