『親緑住居』はコの字に中庭を囲む「コートハウス」です。
中庭と室内のつながりを大切にしているため、大きくシンプルな窓の構成としています。
ただ、ガラスが大きくなると室内の温熱環境に影響しますので、影響を軽減するために季節に応じた「窓の衣替え」をしています。四季の移り変わりに応じて、窓の構成要素を変えているということです。
具体的には、「ガラス戸」と「網戸」の基本要素に、夏には厳しい陽射しを和らげる「簾戸」を、秋から冬には冷気を閉じ込める「障子」を加えます。
それ以外の中間期の夜間には「ロールスクリーン」を使用しています。
(網戸はほぼ一年中入っていますが、虫の少ない季節には使わないほうが視界がクリアになります)
というわけで、ようやく秋らしくなり朝晩の気温が下がって来たので、先日「簾戸」から「障子」に入れ替えました。
親緑住居では中庭に面した窓をコの字に連続させており建具を引き込む壁がないため、階段の踊り場に建具専用の収納スペースを設けています。
網戸、簾戸、障子の3種類が入るようになっており、二人がかりで簾戸をしまい障子を設置しました。
ちょっと手間がかかる作業ですが、10分もあれば終わります。入れ替えることで快適性が向上しますので、季節の行事と捉えています。
『三島の家』のように窓の横に壁がある場合は、必要な時に戸袋から建具を引き出して使うことができます。(戸袋とは引き戸を引き込んで収納する部分のことです)
戸袋を設けることができるかは、プランニングによりますので検討が必要です。
四季の変化が楽しめ省エネルギー性もより良くなる窓の工夫を、設計する上で大切にしています。
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