福島県富岡町にある『富岡の診療所』は、200坪を超える広さの敷地に建つ平屋の建物です。
以前ブログに書きましたが、富岡町は東日本大震災で帰還困難区域に指定された経緯があります。
住民の数は激減しましたが、辛い思いをしてもこの地に戻ってきた人たちに、少しでも心安らぐ場を提供したい。そのような施主の想いから、診療所としては珍しいですが、庭の緑の中を歩いて楽しめるようにしています。
広い敷地の中で、隣の『富岡の家」の緑とつながるように北側に配置し、彩苑の栗田さんによって自然な風情を感じさせる奥行きのある庭となっています。
アプローチは、木立の向こうに建物がひっそりと佇む雰囲気になるように計画しています。
大きな欅(既存)の木の下からスタートして、その両脇には、アオハダ、エゴノキ、ジューンベリー、夏椿などの落葉の中高木や、ドウダンツツジなどの種類の異なるツツジ類、リキュウバイなどの低木が植えられています。スロープの突き当たりには、視線を受け止める少し大きめのカツラ。いずれも、自然な枝振りが特徴な木です。
カツラは『親緑住居』の玄関前にも植えていて、丸い葉が可愛らしく秋には黄色に色付きます。時を経るごとに大きくなる木ですので、木立としての自然な雰囲気がよく出ることでしょう。
撮影は竣工から2年経過した時期でした。順調に茂っているので支柱を外すとより自然な落ち着いた雰囲気になる、とのことで数年後の庭が楽しみです。
庭の様子がわかる動画です。
アプローチから苑路を巡っています。
作品 | 富岡の診療所
村田淳建築研究室が設計した富岡の診療所の紹介ページです。 深い軒の下のデッキが内と外を繋ぐ、緑を楽しめる平屋の眼科です。
作品 | 富岡の家
村田淳建築研究室(旧村田靖夫建築研究室)が設計した富岡の家の紹介ページです。
作品 | 親緑住居
村田靖夫建築研究室(現:村田淳建築研究室)が設計した親緑住居の紹介ページです。中庭や2層にわたる屋上庭園がある、緑を楽しむコートハウスです。
アプローチの緑|Case1.太子堂の家
アプローチに緑を植えると家の雰囲気がよくなります。以前から、設計の世界では「家の外観をまとめるのに困ったら木を植えよう」と、冗談のような格言のようなことが言われ…