富岡の診療所
緑に囲まれた平屋の診療所です。
この診療所は、村田靖夫が設計した「富岡の家」(2000年)の隣にあります。
福島県富岡町は東日本大震災で帰還困難区域に指定され、解除される2017年まで居住ができない状況でした。住宅も既存診療所も被害は軽度でしたが、一部損傷があったため診療所は建て替えに至ります。
一方で、帰還困難区域が解除されたとは言え、町の人口は元の1割強という状況。それでも戻ってきた人たちのために、少しでもリラックスできて、拠り所となるような診療所を作りたい。
そのような施主の想いからプロジェクトはスタートしました。
木立の向こうに佇むような建物には、木々のあいだを通ってアプローチします。
隣の「富岡の家」の緑とつながるように配された庭は、アプローチや室内からも眺められ、診療の合間や後に、デッキに出てゆったりと過ごしたり散策できるようにしています。
自然な風情の庭は、「富岡の家」と同じく彩苑の栗田さんに造園してもらいました。
デッキのベンチで庭を眺めていると、時間が経つのを忘れてしまいそうです。
庭と建物の結びつきを深めることで、心安らぐ場所ができました。
Data | |
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所在地 | 福島県 |
構造・規模 | 木造平屋 |
竣工年 | 2021 |
敷地面積 | 730.15㎡ |
建築面積 | 204.81㎡ |
延床面積 | 188.36㎡ |
施工 | オールハウス |
造園 | 彩苑 栗田信三 |
庭の様子
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