立体的に緑を楽しむ|Case3.中海岸のコートハウス

中海岸のコートハウス断面パース
立体的に繋がる庭が世帯をつなぐ|中海岸のコートハウス

「中海岸のコートハウス」は、コートハウス形式の完全分離型二世帯住宅です。
二世帯住宅は、世帯の分け方で「同居型」「一部共有型」「完全分離型」の3パターンがあります。
玄関から全ての住空間が別になる完全分離型の場合は、世帯の配置が重要になります。
上下あるいは左右に分けるなどが考えられますが、世帯同士のつながりや距離感を大切にして設計します。
一般的には、それぞれの独立性を保ちつつ、自然なコミュニケーションが生まれる関係がつくれるといいように思います。
この住まいでは、「コートハウス」と「屋上庭園」を手がかりに、上下に分けた世帯を立体的に緑で紡ぐように設計しました。

コートハウスの中庭|1階
階段での移動が不要なように、1階を親世帯にしています。
ヒメシャラを植えた庭をコの字型に建物が囲むため、周囲の視線を気にせず内と外が一体になった広がりを感じられます。
この中庭は親世帯専用ですが、2階の子世帯も中庭に面しているためお互いの気配も感じられます。

中海岸のコートハウス 1階リビングから中庭を見る
中海岸のコートハウス 中庭から玄関方向を見る

街とつながる屋上庭園|2階
2階は子世帯です。中庭のヒメシャラ上部の葉の茂りが見え、ベンチやパーゴラを備えた屋上庭園があります。
スタディコーナーの正面にあり、通風を妨げないように適度に壁で囲うことで視線をコントロールしています。
また、道路から見上げると緑が見えることで街と緑をシェアするように意識しています。

中海岸のコートハウス 2階屋上庭園
中海岸のコートハウス 屋上庭園に面したスタディコーナー
中海岸のコートハウス 外観 1階の中庭から2、3階の屋上庭園へと立体的に緑がつながる

みんなの屋上庭園|3階
3階は屋上庭園とウッドデッキです。
1、2階の庭は各世帯からのみ出られる専用庭ですが、ここは共用の庭で、建物から外に出ることなく屋内階段で直接上がって来られます。
庭園部分は花壇や菜園で、好みの草花を育てたり収穫を楽しまれています。乾燥や高温に気をつける必要はありますが、屋上庭園の陽当たりは良好です。
ウッドデッキは広く、パラソルを広げてお茶やバーベキューと活用されています。

中海岸のコートハウス 屋上庭園から見下ろす 2階の屋上庭園、1階の中庭へと緑が立体的につながる
中海岸のコートハウス 3階の屋上庭園

このように、上から見下ろすと各階の緑のつながりがよくわかります。
1階の中庭から2、3階の屋上庭園へと緑が立体的に連続して、世帯を紡ぐ家となっています。

中海岸のコートハウス 屋上庭園から見下ろす 2階の屋上庭園、1階の中庭へと緑が立体的につながる
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