昨秋のことになりますが、所沢方面に行ったついでに所沢聖地霊園礼拝堂・納骨堂を見学しました。
学生の時から写真では見ていたものの実際に訪れる機会はなく、30年ほど経ってようやく行くことができたのでした。
この建物は建築家・池原義郎(1928-2017)の設計で広い霊園の中に建ち、ランドスケープと一体になった佇まいが印象的です。
1973年に完成し、翌74年には日本建築学会作品賞を受賞しています。
事務室で見学したい旨を告げると快く案内してくれました。
おそらく見学に訪れる人が多いのだと思います。
土手の向こうに見える屋根が礼拝堂で、その周囲に納骨堂があります(土手の下です)。
室内に入ると、鉄筋コンクリートの壁に木造の屋根を架けたシンプルかつ大胆な構成です。
静かだけど力強さも感じられます。
屋根の頂部には「光のキューブ」があり、正午には祭壇付近を照らすように光が入るそうです。
(清掃中にお邪魔したのでバケツが写っています)
上の右は納骨堂入口の扉です。
このような鉄を使ったデザインにも池原義郎らしさがあちこちに見られます。
全体構成からディテールまで、昨今の建築にはあまり見られない建築家の個性や想いのようなものを強く感じられる建物でした。
やっと訪れることができてとてもよかった。