
大きな窓がリビング・ダイニングの窓
リノベーション工事が終わりました。
天井懐や壁厚などに徹底して余裕がないので工事で苦労した面もありますが、無事に竣工を迎えました。
敷地面積は約20坪、建築面積は建蔽率をほぼ使い切る約12坪のコンパクトな住宅です。
2台分の駐車スペースを確保すると庭はとれず、家の正面に1本のハナミズキだけが植えられています。
このように緑が少ない住宅ですが、今回の工事で改めて重要性を感じた、オリジナルの設計から大切にされていたことの一つを紹介します。

それは「内と外のつながり」。
隣家が建て込んでいるためリビングの窓は正面以外は小窓のみで、正面は幅いっぱいの腰窓です。
窓の前で大きく枝葉を広げるハナミズキは、外からの視線を遮りつつ内と外をつなげます。
4階の寝室には広いバルコニーがあり、隣家側を高い壁で囲うことで一度周囲と切り離し、大きな窓で外とつなげることで明るく開放的な空間になっています。
このように、単に窓を設けるのではなく、状況や必要性を考えて内と外のつながりを工夫しています。
当然な配慮とも言えますが、このような立地とスケールの住宅だからこそ、設計の作法としてわかりやすく現れていると感じました。





なお、今回の工事では新しい住まい手の使い勝手を優先しつつ、建物のオリジナリティを活かすことを意識しました。