
この家の浴室には洗い場がありませんでした。
建主は海外での暮らしが長く、入浴スタイルも海外のそれに慣れていたため、浴槽のみが設置されました。
シャワーカーテンで仕切られたホテルの浴室に近いですが、住宅としては珍しく、機能的には最小限の浴室と言えるでしょうか。
以前からこの小さな浴室のことは知っていましたが、現地で見て驚いたのは、そのプランではなく浴室を仕切る扉の納まりです。
エプロン(浴槽を囲むタイル貼りの部分)の上に設置されていると思っていましたが、まさかの浴槽にダイレクト設置!
ただ、前回の記事で書いた「潔さと徹底」ぶりを考えると納得がいきます。
この方が脱衣スペースを広く使えますし、納まりが単純な分掃除もしやすそうでした。

今回の工事では、住み手が変わるので一般的な浴室の広さに変更し、脱衣スペースにあった洗濯機は別の階に移動しています。
住み手により生活スタイルや優先順位は異なるものですが、この事例はまさにその典型でしょう。

浴室と書いてある部分は実際は脱衣室です
洗面台の隣が洗濯機置場
